別所琴平神社縁起
神さまの中の大神さま
当神社は、鎌倉時代創建「瑞応山善光寺」の鎮守「金比羅大権現」としてお祀りされて以来、今日に至っています。
大物主大神様は、神代の昔より幸魂・奇魂という偉大な神霊の大神様であります。幸魂と申しますのは、吾々人間生活の幸福を御支配される神霊であり、奇魂と申しますのは、目に見えない霊の世界、精神世界を支配され、常に霊妙なおはたらきをなされている『みたま』であります。
したがって大物主大神様は神様の中の大神様として、多くの神々をひきつれて
幸魂・奇魂のご活動をあそばされております。地上の生きとし生けるものの平安と幸福を招く祖神と崇め奉り、守護の祖神として何事によらずお祈りする時は、必ず正しく平安に守導を受け、その御霊験は誠にあらたかであり、祈願し信心するもの誰しも感じ悟るところであります。
この様にありがたい大物主大神様は、昔から地上最高の大神としてお徳が高く、おはたらきもきびしい神さまであると、本居宣長翁も有名な古事記伝に説明しており、今日只今も広大無限なるおはたらきが続けられているのであります。
別所琴平神社の御祭神
大国主神の幸魂・奇魂
記紀の神話に次のように語られています。大国主神の国造りの時、協力者であった少彦明神が海外に去られたがそれと引き換えに海を照らして寄り来る神がある。大国主が、「あなたは誰か。」と問われると「私はあなたの幸魂・奇魂です。私を手厚く祭られるならばこの国造りは完成するでしょう。」と答えられた、と。この神話の「海を照らして人々に光明を与える」ということが海上交通守護の神、福徳の神と仰がれている理由であります。
大物主大神(大国主神の幸魂・奇魂)
大物主は蛇神であり水神または雷神としての性格を持ち、稲作豊穣、疫病除け、酒造りなどの神として篤い信仰を集め、最も信仰の古い神の一人とも考えられています。大国主の分霊であるため大黒天として祀られることも多く、別所琴平神社にも大黒像をお祀りしております。
《御祭神》
小彦名神
大山津見神
金山彦神
崇徳天皇
大己貴大神
天狗さまの伝説
拝殿左右の天狗面
修験道が盛んなころ、こんぴら権現の眷属は天狗とされました。戦国時代末になると、こんぴら信仰を中興した金剛坊宥盛は、死の直前に神体を守り抜くと誓い、天狗になったとの伝説も生まれます。江戸時代になると、天狗の面を背負ったこんぴら道者が全国を巡りこんぴら信仰を普及したと伝えられています。
緑のお顔の天狗さま
烏天狗さまで、神様の化身となって空を飛び、海で遭難した人を助けられるという言い伝えがあります。
赤いお顔の天狗さま
昔々、山で遭難した人を神様の化身になって助けられたという言い伝えがあり、今に至っています。